晩冬の御嶽山に挑む

トレッキング
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ピエリ守山店:兼松です。

今回の山散歩は独立峰『御嶽山』の数あるピークの内の一つ『飛騨頂上』を目指しました。
岐阜県下呂市濁河温泉にある飛騨小坂登山口からスタートし、夏道のコースタイムは3時間30分、標高差はおよそ1,000 mです。

中央が摩利支天山(2,959 m) 本日のターゲットはその左奥 (飛騨頂上 標高2,811 m)

御嶽山

御嶽山は、長野県木曽郡木曽町・王滝村と岐阜県下呂市・高山市にまたがり、東日本火山帯の西端に位置する標高3,067mの山です。
大きな裾野を広げる独立峰で、古くから信仰の山として信者の畏敬を集めてきた、いくつもの峰を連ねてそびえる複合成層火山です。

小坂口〜森林限界

登山道入口で登山届を提出しスタートします。
雪がない時期であれば主要ルートの中でも歩きやすいと言われているこのルートも、積雪期には少し難しく感じます。

歩き始めから硬く締まった雪の上を歩いて行きます。今日は他の登山者さんはいないみたいです。前日までのトレースもはっきりしておらず注意が必要です。

原生林の中、急登を進みます。
右にジョーズ岩 
木が低くなり、森林限界まで後少し。

標高2,500 m付近

8合目を超えてしばらく進むと森林限界となり、展望も一気に開けて来ます。
今日は風も雲も無く、素晴らしい景色が見られそうです。

スタート地点の濁河温泉郷が見えました。
奥には白山と北陸の山々 左の方には荒島岳も。
振り返って乗鞍岳(手前)笠ヶ岳(奥)を眺める癒しの時間

山頂を目指す

ここまでは計画通りに歩き時間にも余裕がありましたが、山頂まで残り1.5㎞、登り標高300 m付近で雪の状況がガラリと変わりました。前々日の雨で融雪した後に凍ったのか斜面全体が氷の壁の様に見えました。上からは直径3㎝程度の氷の粒が大量に滑り落ちてきます。その音が斜面一帯に鳴り響いています。そんな中、装備を整えつつ歩くルートを決めて行きます。

この斜面を乗り越えた先に山頂があるのですが・・・

実際に歩いてみると雪面はクラスト箇所とアイスバーン箇所が入り乱れています。

クラストして氷が薄いところは体重がかかると氷が砕けます。
アイゼンの歯が効かず急斜面ではズリ落ちそうになりますので同じ場所を何度も蹴って足場を作りながら進みます。

アイスバーン箇所の氷は非常に硬くアイゼンを蹴り込んでも爪が刺さるのは数ミリ程度。この数ミリ程度に体重を預けて一歩一歩慎重に歩いて行きます。

この時は強烈な日差しが正面から当たる時間帯だったため、偏光レンズ越しに見てもクラストかアイスバーンか分からず、蹴り込みながら雪質を確かめるといった状況です。これがなかなか手強くて高度を上げるのに時間が掛かります。

※クラスト・・・雪質を表現する用語で、太陽光、風、雨といったそれぞれの気象状況によって積雪の表面が氷のように凍った状態をいい、表面だけ凍るので、内側は固まっておらず柔らかい。太陽光によって形成されたものをサンクラスト、風によって形成されたものをウインドクラスト、雨によって形成されたものをレインクラストという。人が上にのると壊れるものをブレイカブルクラストと言います。アイゼンの歯が効かない場合もあるため、回避ルートを探すか、危険度によっては引き返す選択をすることが多い。

富山県方面と北アルプス南部
摩利支天山も近づいてきましたが・・・

時間切れ

難しい雪質と戦い続けながら標高2,750 m辺りまで登ってきましたが、ここで無念の時間切れ、撤退します。目指す山頂までは届きませんでしたが、天気も良く綺麗な景色も見られて十分に楽しめましたので、良しとします。

本日の隠し撮りも下山の様子でした。
上から滑り落ちてきた氷の塊が溜まっていました。
あとちょっとが遠かったー。

今回はいい経験になりましたが、やっぱりピークも踏みたかったというのが正直なところ。ということでリベンジしようと思います。待ってろ御嶽山。

では、皆さんもよい山旅をー。

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