使用ラケットのお話①

テニス
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【飽くなき探求】ラケットのカスタマイズについて

スポーツ用品へのこだわり・・・皆さんはお持ちですか?

みなさんこんにちは。商品部奥村です。

この記事をご覧になられている皆さんは、スポーツ用品やギアに関するこだわりって何かお持ちですか?市販されているベーシックな状態でも完成度の高いギアは沢山ありますが、そこにちょっとした工夫やセッティングをすることで、使用者にとってより使いやすくなったり、自分好みに性能をカスタマイズしたり・・・等々 奥深いカスタマイズのほんの一面ではありますが、読者の皆様にご紹介できればと思います。

今回は第一弾!私が硬式テニスで使用しているラケットの【ストリングス】について紹介させて頂きます。

ストリングスにこだわる理由

ラケットの性能は ラケットの性能50% + ストリングスの性能50% = 100% といわれており、ストリングスの選択はラケットの選択と同等の重要性があると言われています。打球時にボールと接触するのは当然ストリングスになるので、ストリングスの性質や張り方によって、打球の質は大きく変わってきます。ストリングスに求める性能・特徴は多岐に分かれますが、私がストリングスに求めている特長は以下2点です。

①打球感が柔らかいこと(タッチが出しやすい)

②メインストリングのスナップバックを阻害しない組み合わせであること(スピン性能が高い)

テニスは相手のコートに意図した弾道で着弾させることが重要になります。いくらスピードや威力のある打球でも相手のコートに着弾しなければ意味をなさないのがテニスというスポーツです。相手のコートに着弾させるという観点から考えると、プレイヤーの思い描いた弾道・回転量を生み出せるストリングスを選択すべきで、思い描いた弾道に打球を調整するにはタッチ感とスピン性能が大きく係わるというのが私の持論になります。

使用ストリングスのご紹介と選択した理由

メインストリング:Babolat VS TEAM 125 (52lbs)

クロスストリング:LUXILON 4G SOFT 125 (50lbs)

いわゆるフェデラー張りと言われるメイン:ナチュラル / クロス:ポリエステルの組み合わせのハイブリットスタイルを愛用しています。フェデラー張りはナチュラルのメリットを最大限活かしながらも、ポリエステルの特徴であるパワー・コントロール性も享受できる張り方としてティム・ヘンマンがフェデラーに推奨したことが起源と言われています。ナチュラルとポリエステルを同時に張ると、テンション維持性能に劣るポリエステルの劣化がナチュラルより格段に早い為、頻繁に張り替えるプロのみに適合する張り方であると昔は言われていました。(近年はポリエステル素材の進化が著しく、ハイブリットの敷居は下がっています)

ハイブリットの選択はメインに選んだ品種の特徴が色濃く出ますので、タッチ・打球感を重要視する私はメインストリングにナチュラルにしては細めのゲージの「VS TEAM 125」を選択しています。

スナップバック理論はウィルソン社がSラケを発売した頃からスピンがかかるメカニズムとして少しずつ世に浸透してきました。メインストリングが大きくずれて、ずれ戻る際にボールにスピンが掛かるパワーが発生するというもので、ストリングの潤滑性・変形量の重要性が明らかになりました。

ナチュラルは表面のコーティングが秀逸で潤滑性に優れており、素材も非常に柔らかいのでガット自体の変形量が大きく、スナップバックが起こりやすい品種と言えますが、素材が柔軟すぎるが故にメインとクロス両方に張るとお互い食い込んでしまう(ノッチング)状態になりやすいです。そこで、高い潤滑性を持ちながら、メインのナチュラルを支えることのできる強靭さを備えたポリエステルストリングを探し続け、納得できるフィーリングに行き着いたストリングが「4G SOFT 125」でした。「4G SOFT 125」は表面の潤滑性・素材の強靭さに加え、4Gシリーズの特徴でもあるテンション維持性能にも優れています。よって、上で問題としてあげたナチュラルとポリエステルの劣化スピードの差もカバーできる組み合わせとなっています。

その他、ガットに関わるこだわり

①充て革

↑ガットとグロメットの間に挟んでいる茶色の物体が充て革です。

バボラ社のラケットに搭載されて一世を風靡したウーファーシステムにヒントを得たカスタマイズになります。スナップバック理論に近い話ではありますが、ストリングは打球時に大きく稼動します。この稼動がスムーズになればなるほど、反発性能・スピン性能が向上すると言われています。ウーファーシステムは滑車をヒントにストリングが折れ曲がる位置を丸く設計し、稼動をスムーズにする効果がありました。

近年のラケットは皆ウーファーにヒントを得てグロメットのストリング接地部が丸くなっていますが、張る回数が増える毎にガットが食い込んで接地部に角が立ってきますので、食い込みからグロメットを保護し、正常な機能性を維持することが主目的となります。

また、微々たる変化ではありますが、充て革の分メインストリングが長くなりますので、スイートスポットの拡大・反発性能の向上に効果があると言われています。

②エラストクロス

↑メインストリングとクロスストリングの間に挟んでいる物体がエラストクロスです。

上の画像にて、メインストリングとクロスストリングの間に挟まっているのがエラストクロスです。エラストクロスはメインストリングとクロスストリングの食い込み(ノッチング)を防ぐことが主目的となりますが、非常に摩擦抵抗値の低い素材で製造されていますので、スナップバック増強効果もあります。

私はエラストクロスを打点が集中するスイートスポットを中心に横8×縦6の範囲にわたって取り付けています。

メリットが多いエラストクロスですが、勿論欠点もあり、エラストクロスをストリングの間に挟む分、ストリングの編みこみに角度が生じますので、若干ではありますがストリングのたわみを抑制し、反発性能は下がると言われています(相対的にコントロールはあがるという見解もあります)。私が細めのナチュラルをメインに選択しているのは、反発性能の下落を補う目的の為でもあります。

まとめと次回予告

いかがでしたか?今回は私の使用ストリングスのこだわりについて長々と綴りました。細かすぎて訳わかんない!と思われた方スイマセン。懲りずに次回はグリップのこだわりについて投稿しようと思いますので、私の記事に興味をお持ち頂けたマニアックな読書の方、お楽しみに!

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