ピエリ守山店:兼松です。
南アルプス縦走登山を計画していた3連休に台風の接近があり初日の気象条件は絶望的。
出発ギリギリまで進路をチェックしましたが、台風通過後の稜線には時速80㌖の風が吹くということなので、初日は諦めて残りの2日間で登れる山へと変更になりました。
天気が回復しそうなエリアでまだ登ったことのない山・・・
剱岳?
ということで、今回は飛騨山脈北部の立山連峰にある標高2,999㍍の『剱岳』に行ってきました。
ルートは剱岳西側からアプローチする早月尾根。
登山口の馬場島からの標高差は2,260㍍で北アルプス三大急登の一つとなっています。
今回は1泊2日の行程で途中にある早月小屋でテント泊をして翌日早朝から山頂に向けて歩き、ピストンして下山する予定です。
登り始めは樹林帯の急登が続きます。もともと前半部分は景色もあまり見られないようで、ただただひたすら高度を上げるために登るという苦行を続けます。今日はガスが濃く視界が悪いので状況は全く分かりませんでした。
そして早くも試練がやってきます・・・・
替えのコンタクト忘れたぁぁ。。
登り始めて1時間ほどでガスは大粒の雨に変わりました。視界が数メートルしかない樹林帯の中を黙々と登っていきます。登れども登れども変わらない景色。
感覚的には標高を上げている実感はなく、ただ体力が削られていくようでした。そんな中、GPSが表示する数字だけが登っていることを実感させてくれます。
そして、登り始めて5時間半ほど経過した頃、目の前に今日のキャンプ地の早月小屋が見えてきました。テント受付のために小屋の中へと向かいます。
驚く小屋番さん。こんな日にテン泊装備で上がってくるなんて凄い、と。
そうですね、自分でもびっくりですよ、と答えるわたくし。
深夜には雨も止みガスも取れてきました。明日の天気は良さそうです。
雨で湿気ったウェア類も乾いてくれるといいのですが。
2日目は12時間ほどの行程ですので余裕を持って日の出前からのスタート。
辺りが暗い中、今日もヘッドライトの明かりだけを頼りにまずは樹林帯を進みます。切れ落ちと岩稜帯がミックスされたような登山道は樹林帯とはいえ油断は出来ません。
登り始めて2時間ほどが経過した頃、ようやく空が白んできました。
逆光の中から徐々に浮かび上がる剱岳を目にします。気分は程よい緊張感が5%、楽しさ95%ぐらい。不思議と恐怖感はありませんでした。
では、右側の尾根沿いを正面右へと取りつき山頂へ向かいます。
振り返り早月小屋を眺めます。その先にずっと続く早月尾根。富山湾もくっきりと見えます。あのあたりがTJARのスタート地点でしょうか。
岩峰に立つ先行者さん。
このあたりから山頂までしばらくは気の抜けない時間が続きます。
鎖場を乗り越えて山頂直下の別山尾根分岐付近でホッと一息。
山頂に到着しました。
メジャールートの別山尾根からは多くの人が登ってくるのが見えました。
しばらくは人の少ない山頂でまったりとします。前日の雨模様から一転、今日は快晴です。前日までの雨のおかげで空気が澄んでいるせいか、遠くまでくっきりと見渡せます。
別山尾根と奥には立山三山。さらにその奥には巨大な山塊の薬師岳。
バリエーションルートの長次郎谷。
奥には後立山連峰の鹿島槍などが見えます。
さて、ボチボチ下山を開始します。
山頂からスタート地点の馬場島まで標高差2,300㍍。
時間に余裕ができましたので、少し寄り道してフォトタイムです。
チングルマもすっかり綿毛になり、秋を感じます。
無事にテント場まで下りてきました。
前日濡れたウェアもすっかりパリッと乾いてました。湿気ったままザックに入れて背負うのと、乾いてるのとでは大違いですから。テン場にデポした装備を回収し小屋で帰り分の水分も補給して、ただただひたすらに下っていきます。
そして下山後に一言「日帰りピストンの方が楽じゃない?」