ピエリ守山店:兼松です。
そろそろ北アルプスにも冬が訪れようとしています。積雪した北アルプスの山々は人を寄せ付けない雰囲気へと一気に変貌します。
今シーズンの心残りといえば、6月に『大天井岳』のピークを踏めなかったこと。夏にリベンジを計画していましたが、発雷確率が非常に高く長い稜線歩きにはリスキーなため中止が続いていました。
例年通りなら、紅葉が終わりを迎える10月上旬を過ぎた辺りからは、いつ雪が降ってもおかしく無い状況になるのですが、今年の10月は気温の低下が遅く、比較的穏やかな気候が続くとのこと、これはチャンスとばかりに『大天井岳』へ行ってきました。
今回のルート
前回は燕岳直下の燕山荘にテントを張ってのピストンでしたが、今回は中房温泉登山口から『大天井岳 標高2,922m』まで一気に歩き、大天荘テント場で一泊。翌日は大天井岳から稜線沿いに縦走し『常念岳 標高2,857m』に登頂後、一の沢登山口へと下山します。
累積標高差は2,600m、移動距離は23Km程です。
初めましての『大天井岳』とお久しぶりですの『常念岳』を繋ぐ稜線のパノラマ銀座縦走路の一部を歩きます。その北側には裏銀座縦走路が並行して走り、今シーズンも登った鷲羽岳などの北ア最深部の山々や、シンボルの槍ヶ岳、穂高岳連峰を眺めながら歩くことができる贅沢な山歩きです。
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DAY 1
午前7時、まだ朝日が届かない山間にガスが漂う中、中房温泉登山口を出発します。この日は燕岳を目指す方々が非常に多く見られ、登り始めて暫くは混雑した雰囲気が続きました。
第一、第二、第三ベンチ、富士見ベンチと等間隔で設置された休憩ポイントも混雑気味です。前半に道を譲った方々もそれぞれのベンチで休憩のご様子でしたが、先を譲った方に追いついてしまうシチュエーションが苦手な為、立ち止まることなく全部のベンチをスルーして進みました。
合戦小屋に到着する頃には、登山道に混雑はなくのんびりとした雰囲気へと変わっていきます。合戦小屋では遅めの朝食を取りながら少しの休憩を取り、今から始まる急登に備えます。
合戦小屋の手前10分の辺りからは頭上には青空が広がっていました。気付けばガスも、人混みも抜けています。合戦尾根を登っている途中の森林限界を超える辺りからは一面に広がる雲海を見ることができました。
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その先には富士山も見えます
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その奥には後立山連峰
歩きはじめて4時間、コースタイムの80%程で燕山荘に到着しました。ここで1日目の行程の約半分です。ここまでは疲労感もなく非常に順調に歩いてこれました。
青空の下、白い山肌の燕岳が浮かび上がって見えます。今回はここに戻ってきませんので燕岳は今シーズン見納めです、多分。
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大天井岳に続く稜線
6月に歩いた時には、残雪と岩場のミックスされたルートと笹が生茂る迂回ルートの斜面が手こずりましたが、オール夏道の今回は暫くアップダウンも少なく快適です。およそ5km、絶景の稜線をのんびりと歩いていきます。
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蛙岩と燕山荘
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大天井岳はもう目の前
6月には通行禁止となっていた夏道ルートを進みます。太陽の反対側斜面のトラバースしながら登っていきます。ここもなかなかの角度で切れ落ちており残雪期には通行禁止になるのも頷けます。
大天荘までの残り距離を100mピッチで設置してある看板が教えてくれます。この辺りで前回到達した標高は超えていたと思います。ここまでは息も上がらず、疲労感もほとんど無く一定のペースで歩いてこれましたが、稜線に上がり逆光の中の大天荘が見えた時にはなんとも言えない感動がありました。
山頂へ向かう前に山小屋でテント泊の受付をします。テント場のどこからでも槍ヶ岳が望める素晴らしいロケーションで、標高2,900m付近の稜線とは思えないほどフラットで広いテント場です。
では、念願のピークへ。
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西鎌尾根の滝雲がお出迎え
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中房温泉登山口は右側の雲の下
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ピラミッド型のピークが『常念岳』
ちょうど西に傾きかけた太陽を背にした槍ヶ岳、穂高岳連峰のシルエットや、西鎌尾根に流れ込む滝雲。南側には富士山と月。北東に連なる飛騨山脈の主稜線。360度どこを見ても何を見ても素晴らしい景色だったので、しばらくぼんやりと眺めていました。
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風もなく穏やかな夜でした。満天の星空をしばらく堪能して眠りにつきます。
おやすみなさい。