景色が見えなくとも 乗鞍岳

トレッキング
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ピエリ守山店:兼松です。

秋雨前線が停滞した長雨と台風のおかげでなかなか山に入れず、天気図と週間天気予報を眺めるだけの日が続いていました。WEB観戦を楽しみにしていたTJAR(トランスジャパンアルプスレース)もスタート翌日に天候悪化のため中止となり‘‘好山病’’の症状も悪化。

そんな中、休みの日の前々日に有料の天気予報サイトさんが突然、『今度の休みは明け方から午前中まで雨が上がるかもね』と言ってきました。これは山が呼んでるぞ、って事で頭に浮かんだ山は一つでした。

行動時間が短く、コースに沢筋が無くて大雨でも比較的安全な山。日の出前からスタートできて、絶好のご来光ポイントがある山。景色と高山植物で夏山を満喫できる山。日頃の行いと運が良ければ雷鳥に出会える山。

ということで今回はお手軽3,000m峰『乗鞍岳 剣ヶ峰』に行ってきました。

高山植物の女王様 『コマクサ』

乗鞍岳 のりくらだけ

日本百名山のひとつ乗鞍岳は、北アルプス(飛騨山脈)の南端に位置し、剣ヶ峰(3026m)を最高峰に、23の峰と7つの湖、8つの平原からなる中部エリアを代表する名山です。

標高2,702mにある畳平からスタートするのが一般的で山頂の剣ヶ峰までは、途中の富士見岳を経由しても1時間30分ほどです。岐阜県側から畳平までの乗鞍スカイラインはマイカー規制となっていますので、専用バスかタクシーのほかは自転車のみが通行可能です。

今回は、ほおのき平バスターミナルから出発するご来光バスを利用しました。定刻通り午前3時45分に出発したバスは、ガスに覆われ一切の灯りもない道路をヘッドライトの光のみで駆け上がって行ったのだと思います。標高が上がるにつれて雲の中に入っていき、氷の粒が窓ガラスに激しく当たっていたのかも知れません。夜行性の動物の目が怪しく光り、バスを見つめていた可能性はあります。が、寝ていたので全くわかりません。

バスは登山口に到着しました。真っ暗な外の雰囲気に多くの人がバスを降りるのをためらっていました。そんな中、僕らを含めて数名が降車して行きます。

猛烈な風と横殴りの雨が容赦なく飛んできます。ヘッドライトの灯りのみで歩いていきますがライトの灯は漂うガスと雨に反射してしまい、視界は1mほどです。ほとんど視界が効かない中でご来光のポイントの富士見岳へと向かいます。

富士見岳山頂

富士見岳に到着しました。ガスと風は収まる気配はありません。風を避けつつ待機しましたが太陽は現れませんでした、残念。日の出の時間を過ぎたので、富士見岳をあとにして剣ヶ峰へと向かいます。

蚕玉岳山頂 晴れていたら左に大雪渓、右に権現池
主峰剣ヶ峰 晴れていたら正面には御嶽山

山頂に到着しましたが、ガスが晴れる気配もないのでサクッと下山します。まだ時間も早いので高山植物を眺める散歩に変更します。

チングルマ
ウサギギク
オンタデ
コマクサ
ウメバチソウ
雷鳥(メス)
雷鳥のヒナ

天気が良い日は、ついつい遠くの景色に目を奪われがちですが、今回は近くにある物をじっくり楽しむ事ができた良い山旅でした。

では、皆さんも良い山旅を。

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