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トレッキング
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ピエリ守山店:兼松です。

その昔、神々の間で国づくりの相談をしていたところ、駿河の国に日本で一番高い山を、近江の国に日本で一番大きい湖をつくることとなり、国づくりの神が近江の土を掘って一晩で富士山をつくり、掘った跡に水がたまって琵琶湖ができた。という伝説があるそうです。

そんな事を聞いてしまっては、目の前に琵琶湖があるピエリ守山店で働くものとしては登らない訳にも行きません。

という事で、今回の山散歩は夏山の定番、『富士山』です。

富士山の噴火によって出来た山中湖を朝日が照らす。

今回は富士登山主要4ルートの中で最も長い距離と最も標高差がある『御殿場ルート』を選択しました。登山口の標高は約1,400 mで山頂までの標高差はおよそ2,300 mです。他のルートと比べ1,000 mほど低い位置からスタートするこのルートは、登山者が少ない様なので富士登山をじっくり楽しめるルートとも言えそうです。今回はそんな御殿場ルートを日帰りピストンしてきました。

午前2時スタートの二つの理由

夏山は午後からガスに覆われることが多く、道迷いや雷雨のリスクが高まるため早出、早着が基本。今回は午前2時にスタートします。

御殿場ルートの登りのコースタイムが8時間、下りは専用ルートで4時間程度。休憩を入れても午後のガスを回避できる様にすることがこの時間からスタートする理由の一つです。

山頂にある浅間神社への信仰登山の入口でもある御殿場口
砂と砂利の中間の踏み心地で一歩につき10㌢ほど沈みます。

独立峰の富士山は登山の際、景色の変化が少ないといわれます。特に7合目までは淡々と登って行くため単調で飽きると言われることもあります。

景色の変化が無いのなら、変化する時間に登ればより楽しいはず。ということで、午前2時から登り始めたもう一つの理由は、『どんどん変化する空の様子を楽しみながら歩く』です。

満点の星空の下遠くに見える山小屋の灯りに向かって歩いて行きます。
日の出直前に見られる深い青
朝日に照らされ朱に染まる富士山
黒い溶岩台地に空の青が映える
気づけば標高は3,000 m

今日も雲ひとつ無い快晴です。というより雲の上にいます。明け方は夏の季語でもある『赤富士』も見ることが出来ました。浮世絵などに多く登場する赤富士は、富士山特有の火山地質に含まれる鉄分が太陽の光に反応して赤色に染まるという特別なものの様です。北アルプスなどのモルゲンロートも綺麗ですが富士山も違う良さがありました。

赤岩八合館で雲海をバックにパシャリ。
駿河湾方面

バスに乗り一気に標高を上げる他ルートでは短時間で登頂できる代わりに高山病のリスクも高くなりますが、今回は低い位置から徐々に標高を上げてきているため高度順応はバッチリです。息苦しさも無ければ、疲労感も感じませんでした。

そして、歩き始めて7時間ほどで標高3,700 mの御殿場口頂上へ到着しました。ここから山頂火口の淵を周り富士山最高地点の剣ヶ峰に向かいます。

山頂火口 深さは240 mほど。
富士山最高点の剣ヶ峰、手前には最後の急斜面『馬の背』
今、日本で一番高いところに立っています。

せっかくなので山頂にある富士山本宮浅間大社でお参りをしてお守りもゲット。時間にも余裕があるので山頂付近で少し休憩を取ります。

この時、Garminウォッチのbodybatteryが示した数値は『5』

・・・・・『5』(;゚Д゚)??

身体的エネルギー残量を測定してくれるGarminのbodybatteryの表示範囲は5〜100。数値が大きいほどエネルギーが残っている事を意味します。

最低数値の5・・・僕のエネルギーは精神力的な何か以外は全く残されていない様なので、お昼ご飯を食べようと思います。食べることは大事。

気圧が低くパッケージがパンパン。指もパンパン。

これから降りて行く斜面を見てみると、雲の動きが非常に速くて風が強そうです。エネルギーも補給したことですし、名残惜しいですが下山を始めます。

夏を感じさせる雲です。
七合目からの下り専用ルート『大砂走り』
ビーフシチューパワーで下り爆走中。
下山後に遠くから眺めてみました。

登山が趣味だというと、ほぼ必ず『えー、富士山とかですかー?』と聞かれます。今までは富士山は眺める山ですよ、なんて答えてたんですが次からは『楽しい山ですよ』と答えることにします。

それでは皆さんもよい夏山ライフを。

ちなみに、富士山の約3分の1の土の量で琵琶湖は埋められるみたいです。

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