ピエリ守山店:兼松です。
今回は北アルプス南部エリアの常念山脈最高峰『大天井岳』を目指し、ひさしぶりのテント泊を楽しんで来ました。
北アルプス南部はランドマーク的存在の槍ヶ岳を中心に放射状に山脈が連なるエリアで表銀座縦走路などに代表される人気ルートがいくつも存在します。

大天井岳 おてんしょうだけ
高い所には神様がいると言う意味で『御天所 おてんしょ』、非常に高いと言う意味での『大天井 おおてんじょう』から名付けられた日本二百名山です。標高は2,922 mで長野県大町市、松本市、安曇野市に跨がる人気の山です。
DAY 1 中房温泉登山口〜燕山荘・燕岳
1日目の幕営地は燕山荘テント場です。以前、ブログでもご紹介させて頂いた燕岳へのルートと同じ道を歩きます。が、前回と大きく違って装備が非常に重いんです。6月でも雪が残り、テント場は雪の上で明け方の気温は氷点下。大天井岳までの稜線上は夏道と冬道が入り乱れ、小屋周辺の水源確保はまだされていないといった状況なので、普段のテント泊装備のほかに冬季用防寒装備や、アイゼン、ピッケル、スコップなどの雪対策。いつもより多めの水でザックの総重量は20kgほどになっています。
今日は燕山荘まで標高差1,300 mほどを北アルプス三大急登と呼ばれるルートを上がって行きます。比較的安全な登山道ですが、不安定箇所もあります。日も長くなってきましたので、のんびりと行きたいと思います。

晴れた日は富士見ベンチから富士山が見えます。今日はドン曇り。

北アルプス山小屋あるある『見えてからが遠い』

テラス側が気になる方は6月9日の『燕山荘』staffblogでどうぞ。
テント場の予約を忘れていたことを歩き始めて気付き、当日の予約でお願いするといったハプニングもありましたが、無事に燕山荘へ到着しました。
最近は山小屋泊以外にテント泊も前日までの予約制になっているところも増えてきましたので皆さんも気をつけましょう。
日も長くなり、日没まではたっぷりと時間がありますので燕岳、北燕岳へ向かいます。





DAY 2 大天井岳へ向けて稜線を行く
前日の青ひとつ無いドン曇りとは違い、2日目は超快晴の朝を迎えました。夏至の1週間ぐらい前は、一年の中で日の出の時間が最も早いこともあり4時から活動できます。普段は朝が弱い僕も、山ではスッキリと起きれる不思議現象。

太陽の日が暖かく感じます。

テントは張ったまま不要なものは置いて、大天井岳に向けて出発します。今日はピストンですのでテントは帰りに回収して中房温泉登山口まで下山します。およそ10時間ほどの行程です。

バックショットでよかった。

ここは表銀座縦走路

大天井岳直下まで来ました。雪のない時期は直接大天井岳には向かわず、向かって左側を緩やかにトラバース、大天荘を経由して山頂を目指します。このルートが夏道です。
この時期は大天井岳周辺の山小屋が営業開始前のため登山道の安全確認がされていません。雪渓が残る夏道は崩落と落石のリスクが非常に高く、通行禁止となっています。
夏道が通行禁止の間は、直接山頂へ向かうルートを使用します。これを冬道と呼びます。冬道は一般登山道ではなく、地図には表記がされません。明確なルートが無いいわゆるバリエーションルートとなっています。すでに雪はなく、岩壁と浮石が剥き出しになった冬道は非常に危険で、落石、滑落のリスクが高まります。先ほどまでのニヤニヤ感は無くなり一気に緊張感が増します。

足元は非常に脆く危険

あの辺りでご飯にしよう。
帰りの時間とリスクを考えて、今回は山頂を諦めて2,850 m付近で敗退としました。ここまででも十分楽しめたので良しとします。大天井岳へのリベンジは夏道開通後か、逆側の常念岳からアタックすることになりそうです。

明け方凍っていたテントもパリッと乾いて、シュラフはホッカホカでした。昼寝なんてできたら最高なんでしょうけど・・・
名残惜しいですが帰ります。そのぐらいの方が次の楽しみも増えるってもんですから。
では、皆さんもよい山旅を。
